森永乳業が発見したビフィズス菌B-3の臨床試験にご協力いただいた糖尿病治療専門の中島内科クリニック。日頃から地元の患者さんたちと運動療法・食事療法に楽しみながら取り組む中島茂先生と管理栄養士の浜本幸江さんに、臨床試験のお話や健康維持の秘訣などを伺いました。
肥満型の人と痩せ型の人では、腸内の細菌のバランスが違うことが分かっています。今、このバランスに影響を与え、肥満型の人を太りにくい体質へと変えていく効果が期待されているのがビフィズス菌B-3です。神奈川県横須賀市の中島内科クリニックで実施した臨床試験では、患者52名の方々に、ビフィズス菌B-3のカプセル、または何も含まれていないカプセル(プラセボ対象群)を12週間飲み続けていただき、一人一人の体重と体脂肪量などを計測して比較しました。院長の中島先生は、その結果にとても感心したとのこと。「あの試験結果は大したもんだ!」と快活な声で語ります。
「ぼくは正直に言うと、最初はビフィズス菌B-3に何の期待もなかった(笑)。でもあの臨床試験は医薬品のテストと同じ二重盲検[※]だからうそはないはず。ぼくだって科学者のはしくれだから、あの結果を知れば見直すよね。世の中にはたくさんのサプリメントがあるけれど、これは信頼できると初めて思った。それにあれだけしっかり二重盲検を行うのは大変なんだよね」今回、患者さんたちに協力を依頼し、先頭に立って試験を進行してくださったのは管理栄養士の浜本さん。「患者さんたちに協力していただく上で、今回の試験が“ビフィズス菌”だったのは良かったです。ビフィズス菌は体にいいものというイメージがあるから私たちも勧めやすかったですね。でも、試験中はどなたがビフィズス菌B-3配合の物を飲んでいるのか分からないし、どのくらい効果があるのかも分からないから、計測のたびに患者さんたちの数値が気になりました。計測するたびに数値の動きを見ながら、この人はどっちを飲んでいるかと勝手に想像していました」経過を見守っていた中島先生も「二重盲検で本当に差が出たから驚いたよ」と当時の印象を興奮気味に伝えてくれました。
被験者(患者)も評価者(中島先生と浜本さん)も、誰が試験対象食品(ビフィズス菌B-3)を飲み続けているのか全く分からない状況を作り実施する試験。逆に誰が何を飲んでいるのかを分かった上で行う試験を「非盲検(オープン試験)」と呼ぶ。この方法だと被験者が「自分は本物」「どうせ偽物」という気持ちで生活習慣を変えてしまい、結果に影響が出る場合がある。
生活習慣病の治療やダイエットを続けるために何よりも大事なのは、数値が下がった! やせた! という成功体験だと中島先生は語ります。「それがサプリメントなどの影響だったとしても、自分の体重や体脂肪量も〝下がり得るんだ〟と思えることで、食事療法や運動療法を頑張ってみようかなという動機付けになることがあるからね。そんな中で、体質改善に関する科学的な根拠が示されたビフィズス菌B-3は、医者として紹介しやすいよね。食事療法や運動療法で思うような結果の出ない人が、最初の成功体験を得るのにもとても良いと思うよ」
抗メタボリックシンドローム作用が明らかになったビフィズス菌B-3。しかし栄養バランスの良い食事、適度な運動を続けることが、健康の基本であることは変わりません。理想的な食事や運動を続けるコツがあるとすれば、どんなことなのでしょうか。食事について管理栄養士の浜本さんは「食事は主食とタンパク質のある魚や肉の主菜、そして野菜をいつも意識すること。その3種類が揃っていれば良いので、外食が多い人も料理の選び方を気にしていれば大丈夫」。また、中島先生は、どんな療法も継続のポイントは、その始め方にあると言います。「ぼくはよく動機は不純で良いと言っています(笑)。たとえば、食事療法や運動療法に取り組んでいるときに、気になる異性の人から〝やせましたね〟とほめられたらうれしくて〝もうちょっと頑張ろうかな〟という気持ちになるでしょ。きっかけはどうであれ、楽しいことを見つけて夢中になることが健康への近道だね。」しかし、何ごとにも続けることが苦しくなるときは訪れるもの。そんなときは「自分の調子が良かったときのことを思い出して乗り越える」のが中島先生のやり方だそうです。「誰にでも苦しいときはある。でも大人の人、とくに60歳、70歳まで生きている人というのは百戦錬磨の人だからね。山あり谷ありの人生を生き抜いてきた、自信を持っていい人たち。自分の成功体験を思い出しながら、頑張ることなんか大したことじゃないぞ、この頑張りには意味があるぞ、と前向きに考えられる人たちだから大丈夫。どんなことも乗り越えていけると思うよ」